鮎の生食における注意点と加工品

生食について

まず、一般家庭で鮎を買ってきたとしても、刺身などそのまま食べることはオススメしません。鮎には「横川吸虫(よこがわきゅうちゅう)」という寄生虫がいることが確認されています。これは自覚症状が少ないと言われていますが、小腸に寄生し腹痛や下痢の症状を引き起こします。その為、刺身にする時はきちんとした知識と技術を持って処理をしないといけません。旬の鮎を冷水で締め、洗った後に背越しをします。背越しとは、内臓やウロコなどを除去したあとで、骨や皮ごと薄く輪切りにします。独特な歯ごたえと清涼感で美味しく食べることができますので、鮎を提供しているお店で見かけたらぜひご賞味ください。生食に近いものといえば、酢や塩に漬けこみ、酢飯と一緒に発酵させるなれずしの中に、鮎寿司があります。

 

加工食品

除去された鮎の内臓を塩辛にしたものを「うるか」と呼び、これも珍味として有名です。このうるかは、内臓のみで作られたものは「苦うるか」や「渋うるか」とも呼ばれます。他には、苦うるかよりも少し食べやすいように、ほぐした鮎の身をまぜた「身うるか」があります。もう少し大きく切り身にした鮎を混ぜたものや卵巣のみもしくは精巣のみを使ったものなど種類がたくさんありますので、お好みの味が見つかると思います。うるかはそのまま食べても美味しいですし、イモやナスを加えて煮ものにしたり、汁物として食べることもできます。また和食だけではなくパスタソースにしたり、チーズと合わせてクラッカーと食べることもできます。元々保存食として作られたものなので、濃い味付けを少しずつ色々なものに使って長く食べることをオススメします。また、鮎の加工品では、乾燥させた鮎を使った「鮎節」があります。主に和食の出汁として使われており、煮物はもちろん、雑炊や麺類にも合わせて使いやすいです。鮎出汁を売りにしたラーメンなどもあるので、幅広いジャンルで使われています。他にもごはんや卵焼きにも使える鮎フレークなどもあります。