鮎の調理方法

美味しい食べ方

栄養を逃さず食べるには、骨や内臓まで余すことなく調理することがオススメの鮎ですが、定番の塩焼きの場合、串に刺さっている姿を想像されると思います。なぜ串を刺すのかというと、ひとつは魚が生き生きと泳いでいるように見えるようにする為です。また、体内の余分な水分が落ちやすいよう串を刺し、口が下を向くように火に当てています。焼く前に塩を振るのも、味付けはもちろん塩による脱水作用を利用しているからです。また、金串は熱伝導が良いので、外からだけではなく中からも火を通す目的もあります。一般的に鮎の塩焼きにオススメなのは、7~8月に捕れる脂の乗った成魚です。6~7月に捕れる若鮎は、この成魚よりも少し小ぶりで骨が柔らかいので、フライや天ぷらにして丸ごと食べることが良いでしょう。この場合、体内に入った砂利が舌触りを悪くしてしまうので、事前に腹を押さえて胃の内容物を洗い出すことが必要です。

また、丸ごと揚げる際に内臓に入っていた水分が原因でお腹が破裂することがあります。油はねは火傷の危険もあり、せっかくのハラワタの部分が飛び散ってしまうので、あげる前に爪楊枝で腹部に穴を開けておきます。あとはお好きな天ぷら粉に、表面の水分を拭き取った鮎をくぐらせて揚げます。そのままでも塩を振りかけても美味しいですし、梅と大葉を抱き合わせて揚げるのも美味です。8月を過ぎると産卵に向けて卵がたくさん入っている子持ち鮎が美味しくなります。この時期の塩焼きも美味しいですが、酒・醤油・みりんや砂糖などを使って甘く柔らかく煮込んだ甘露煮もオススメです。臭みを取るために、番茶やほうじ茶もしくは水で煮込んでから、煮汁を捨てて、調味料で再び煮込みます。じっくりと火を通すことで味がしみこみ、身も骨もすべてが柔らかくなるので、ごはんやお酒のお供にぴったりです。他にも米と一緒に炊き込む鮎飯や、ヒタヒタの油で中火にかけてじっくりと火を通すコンフィなども有名です。