追い叉手漁
追い叉手漁は、琵琶湖で4月から5月にかけての短い期間に行われる漁法です。叉手網(さであみ)と呼ばれる大きな網と、小鮎を驚かせるために竹竿の先に鵜やカラスの黒い羽根をつけた竿が、追い叉手漁で使う主な道具。叉手網を広げて待ち構える人のほうに、岸辺のそばを泳いでいる小鮎を竿で脅して追い立てて、小鮎が叉手網に入ったら素早く持ち上げて捕まえます。本物の鵜やカラスが飛んでいるかのように竿を操るのはなかなか難しいので、経験豊富な人が担当することが多く、力仕事である叉手網を広げて待つ担当は若い人がやることが多いそうです。昔ながらの漁法で、琵琶湖の風物詩の1つと言われています。
沖すくい網漁
船首から大きな網が突き出た沖すくい網専用の漁船で小鮎の群れに突っ込んでいき、船首についている大きな網を水中に入れて一気に引き上げるという豪快な漁法です。琵琶湖の小鮎は、気候が暖かくなると湖面付近で群れるという習性があります。その習性を利用して、小鮎の群れをめがけて大きな網が付いた船で突進するのです。漁船には船の操縦と網の操作を行う見張り台があり、湖面に上がってきた小鮎が見やすいようになっています。じっと小鮎がかかるのを待つ漁法と比べて、ダイナミックな攻めの漁法です。
小糸漁
小鮎には、夜に湖岸近くでエサを食べて朝方に沖に戻るという習性があります。それを利用したのが小糸漁で、真夜中に船を出して網を仕掛け、朝まで番をするという体力勝負な漁法です。小糸漁でとる小鮎は、身が柔らかくて苦味が少ないので、天ぷらや佃煮によく使われます。
エリ漁
邪魔になるものにぶつかると、それに沿って泳ぐという魚の習性をうまく利用して行うエリ漁は、江戸時代から行われている伝統的な漁法です。小鮎の通り道に杭を立てて誘導する道を作り、一番奥に網をしかけて魚が入るのを待つというシンプルな仕組み。エリ漁体験も行われているので、気になる方は琵琶湖に足を運んでみてはいかがでしょうか。