淡水魚と家庭内飼育における注意点
淡水魚の種類である鮎ですが、淡水魚とは真水(もしくは塩分濃度が低い水)で生活する魚を指します。川魚と呼ばれることも多いですが、ここにもいくつかの種類に分けられます。淡水の中で生涯を終えるものは「純淡水魚」と呼ばれ、鯉やナマズなどが該当します。ウナギや鮎のように一時期を海中で過ごし川と行き来するものは「回遊魚」と呼び、本来は海水域(もしくは海と川の狭間)が主な生活圏で淡水域にも入ることがあるものは「周緑性淡水魚」と呼ばれます。この代表的な魚はボラやスズキなどがいます。同じ魚でも一部は海水に行くこともあるケースやその反対もあるため、専門家の中でもはっきりと魚の種類によって分けるのは難しいと言われています。また、淡水魚の中ではヤマメやイワナなどを観賞用に飼育している愛好家もいますが、鮎を長期で飼育できた実例は非常に少ないです。
鮎は海から流れの早い川へ上ることから、他の種類に比べて泳ぐ力が強くまた泳ぐこと自体がストレス発散になると言われています。そのため、水槽の深さや広さは重要になります。また、流れを作るポンプのほか酸素不足にも弱いため、エアポンプも必須です。もちろんきれいな水をキープすることや水温管理も重要なことからとても神経質な魚であることがお分かりかと思います。また、元々が1年で一生を終える性質から、これだけ頑張って飼育をしても期間が限られるという点があります。飼育環境によっては年を越えて生きることもありますが、短命であることには変わりません。観賞用ではなく、友釣りに使うオトリの鮎を一時的に飼育しているケースもあります。この場合は短期間の飼育になりますが、ストレスから色々な病気にかかりやすいため、こまめなお世話や環境管理が必要なことが分かります。また、友釣りを行っている地域によっては、オトリ鮎の持ち込みを制限しているところもありますので、必ず確認することを忘れないで下さい。