鮎の生息地域と種類

鮎の種類

日本で生育している鮎は、大きく3つの種類に分けられます。

一つ目が、「オオアユ」です。これは市場に出回り、夏の川で釣るなど一般的な鮎と言えばこの種類を指します。二つ目は「コアユ」です。コアユは琵琶湖で育つ鮎のことを指します。オオアユとは遺伝的にも異なり大きさも小ぶりです。そして他の地域と比べナワバリ意識が強いとも言われています。その為、後ほど説明する友釣りに都合が良いとされています。海へ出ることはなく琵琶湖の中で一生を過ごすため、琵琶湖では産卵の時期に見守りをするなど、1年間のサイクルが乱れないように保護をしています。また、コアユは皮や骨が柔らかいので、滋賀県伝統の佃煮や天ぷらなどにして親しまれています。三つめは「リュウキュウアユ」です。名前の通り琉球列島に生育する鮎ですが、現在は絶滅危惧種に指定され、沖縄本島では1970年代に絶滅が確認され、現在は奄美大島にのみ生息しています。リュウキュウアユを保護するために、産卵の時期と海から川へ上がっていく遡上期には河川の工事を停止し、禁漁や漁の時期や方法などを制限しています。日本のほかには、朝鮮半島やベトナム北部でも分布しています。

鮎は、プランクトンやコケなどを食べて成長します。その為、その河川の状況が鮎の生育に大きな影響を与えます。大きさや食べたときのにおいなどもその川ごとに大きく異なります。特に天然の鮎はスイカのような爽やかな香りを持っていますが、これは藻や河川の水質に左右されます。あまりにも汚れた川ではコケやプランクトンも育ちませんので、鮎がいる川はきれいな川であると言えます。また、鮎もより良質なコケがある場所をナワバリとし、そのナワバリを守るために他の鮎を追い払おうとします。この性質を活かした釣りの方法が「友釣り」と言います。友釣りは川に生息している鮎のナワバリにわざとオトリとして釣り糸を付けた鮎を侵入させ、追い払おうと体当たりをしてきたところを引っ掛ける釣法です。