若鮎とはどんな和菓子か
「調布」と呼ばれる、求肥をカステラ生地で包んだ和菓子が若鮎の原型と言われていて、見た目を鮎の形に似せて、鮎の顔と尾びれの焼印を押したものが「若鮎」と呼ばれています。調布が生まれたのは岡山県ですが、若鮎は京都や岐阜の銘菓として親しまれています。関東で売られている若鮎の中身は、求肥のほかに小豆の餡が包まれるという特徴があるので、食べ比べするのもおすすめ。作っている和菓子屋によって、鮎の顔や尾びれの焼印に個性が見られるので、表情や形の違いも楽しめます。若鮎が和菓子屋に並ぶのは、鮎釣りが解禁となる初夏。若鮎を食べて初夏の訪れを感じるのも粋ですね。
京都の人気店
「このお店の若鮎が一番好き!」というファンが多いのは、手作りにこだわった京菓子を製造、販売している「大極殿本舗」の若鮎。鮎の頭が小さく、スレンダーな形をしています。柔らかいカステラ生地の中にはたっぷりと求肥が入っていて、そのバランスが絶妙と評判です。若鮎が10個涼しげなすだれの箱に入った商品が、ネットのお取り寄せで人気。日持ちするので、贈り物としても喜ばれます。
滋賀の人気店
滋賀県の近江八幡市に本部がある「たねや」では、若鮎という名前ではなく「稚鮎(ちあゆ)」という名前で販売しています。他の地域の鮎と比べて、琵琶湖の鮎は大きくならないので稚鮎という名前がついたそうです。丸みを帯びた可愛らしい感じの鮎の形をしていて、中身は求肥のみ。5月から8月までの期間限定販売です。
岐阜の人気店
玉井屋本舗では、「登り鮎」という名前で若鮎を販売しています。中身は求肥のみで、化粧箱に入ったものは7個入から50個入と送る相手の人数に合わせて選ぶことができるのでとても便利。反り返った鮎の姿に可愛い鮎の顔が愛らしいです。
和菓子処緑水庵の若鮎は「飛あゆ」という名前で、手のひらサイズの食べやすい大きさが人気。飛あゆの倍の大きさの「御初尾」は、中に求肥のほかに粒あんが入っているので、食べごたえがあります。