鮎うるか
うるかとは、胃や腸といった鮎の内臓を塩辛にしたもので、「鮎うるか」や「苦うるか」とも呼ばれています。岐阜県の長良川や大分県の大野川など、鮎がよく捕れる地域で昔から作られていて、内臓の苦味の中に奥深い旨みを持つ珍味として親しまれています。鮎は捕ることができる時期が限られているので、保存する手段の1つとしてうるかが生まれました。新鮮な鮎の内臓を包丁などで細かく刻み、塩を足して一週間ほど熟成させると出来上がり。熟成させる期間が1年以上と長いものもあり、こだわりを持ってうるかを作っている会社が数多くあります。酒の肴やご飯のお供として食べる以外にも、うるかを使って汁物にしたり、里芋やナスと煮物にするなど調味料としても使われています。鮎の卵巣だけを使った「子うるか」、精巣だけを使った「白うるか」など使う部位が限られたものや、鮎の内臓を洗わずそのまま作る「泥うるか」、骨を含めた鮎まるごと使って作る「身うるか」、子うるかと白うるかを混ぜた「取り混ぜうるか」など種類が多いのもうるかの特徴です。
鮎の天日干し
そのまま食べてもおいしい鮎ですが、日差しの下に置いて風で乾燥させることで、水分が飛んで旨みが凝縮される天日干しも人気が高いです。グリルなどで香ばしく焼くとよりおいしく食べることができるのでおすすめ。鮎がたくさん捕れる岐阜県では、天日干しの光景が梅雨明けの時期の風物詩となっています。
鮎の甘露煮
鮎を一度焼いた後に、照りが出るように甘く煮たものが鮎の甘露煮で、骨まで柔らかくおいしく食べることができるのが特徴。濃いめの味わいなのでご飯のお供として人気です。冬にも鮎を楽しめるように考えられたのが鮎の甘露煮で、岐阜や滋賀など鮎の名産地で作られていることが多く、琵琶湖で撮れた小鮎の甘露煮は滋賀の郷土料理として親しまれています。通販では、たまごがぎっしりと詰まっている子持ち鮎の甘露煮が人気があり、おせち料理にも使われるなど、いろんなシーンで食べられている一品です。