落ち鮎は美味しくない?

初夏から夏にかけて旬を迎える鮎は爽やかな味わいがあり、シンプルな塩焼きにするのが一番美味しいものです。ところが、旬を過ぎた落ち鮎は美味しくないという人が多いようです。なぜ落ち鮎は美味しくないのでしょう。どうすれば落ち鮎を美味しく食べられるのでしょうか。

 

落ち鮎が美味しくないのはなぜ?

鮎は11月~5月までは禁漁とされていて、7月が最も美味しい時期。落ち鮎とは産卵が終わった鮎のことです。産卵が終われば、当然身はスカスカになりますし、若鮎と比べると皮が硬くなるため味が落ちると言われています。産卵を迎えた落ち鮎はやや赤みがかっています。落ち鮎の中には、まだ産卵していない子持ち鮎や白子を持っている鮎もいて、そのような鮎は旬の時期とはまた違った美味しさを持っていて、落ち鮎の方が好きだという人もいるほどです。美味しく食べたいなら、お腹が膨らんでいる子持ち鮎を選ぶとよいでしょう。

 

落ち鮎の美味しい食べ方は?

落ち鮎も塩焼きで美味しく食べられます。旬の時期とは食感が変わりそれはそれで良いものです。旬の時期よりも味が濃いという方もいます。ですが、産卵ずみの鮎ならば甘露煮がおすすめです。鮎の表面のぬめりを、包丁の背でこそげ取って、水洗いするのが美味しい甘露煮のコツです。煮魚は長時間煮ませんが、甘露煮は弱火でじっくり煮ることで味がよく染みて美味しくなり、骨まで食べられます。鮎の甘露煮の場合は、調味料を入れて1時間ほど弱火で煮た後に、裏返しにして煮汁に一晩漬けておきます。翌日、弱火でさらに30分ほど火を通すと完璧です。忙しい方は圧力鍋を使えば時短できます。

調味料で煮る前に、素焼きにしてから煮ると香ばしさが増し、さらに美味しくなります。煮る際に梅干しを入れるのもおすすめです。たくさん甘露煮ができたら、1尾ずつラップに包んでさらにアルミホイルに包むか、あるいは保存袋に入れて冷凍しておけば、正月のおせち料理の一品になります。